■■■Hawkwind・ザ・『雑学』■■■

レーベル"Demi Monde"

最終更新日:2003/04/14


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▼"Demi Monde"とは

Demi Monde とは、Hawkwind のセカンド・アルバム"In Search of Space"(1971)にベーシスト&ギタリストとして参加していた Dave Anderson が Hawkwind を離れた後に興したレコード・レーベルの名称です。

Hawkwind のライブ・アルバムの権利をいくつか所有しているらしく、同一の音源をスリーブ・デザインとアルバムタイトルを変更して、時には他のアルバムとカップリングし、さらにレーベルまで変えて幾度となく再リリースするという"Demi Monde 商法"を繰り広げています。

過去のアルバムを蘇らせてくれるのは大変有り難いのですが、「再リリース作品である」というクレジットを必ずしも載せているわけではないので、ファン泣かせのレーベルではあります。


▼"Demi Monde"商法

しぶとく化粧直しをして再リリースしてくる音源の大元はおそらく以下の4種類のみ。ライブ・アルバムのオリジナルタイトルを列記しておきます。

  1. The Text of Festival(1983)
  2. Bring Me The Head of Yuri Gagarin(1985)
  3. In The Beginning...(1985)
  4. Space Ritual Vol.2(1985)

実は、この4枚のうち"The Text of Festival"(1983)と"In The Beginning..."(1985)の元々の音源は同一です。オリジナル2枚組アナログLP"The Text of Festival"(1983)の Side A と Side B のみを抜き出したものが"In The Beginning..."(1985)。

すなわち、Demi Monde は実質3種類の音源を使い回していることになります。スリーブとタイトルを変えて Demi Monde 以外のレーベルからリリースされたアルバム(含む、2枚組・3枚組・4枚組)のなかで、手持ちの分を以下にリストアップしておきます。

  1. The Text of Festival(1983)……オリジナル
    Welcome to The Future(1997) - 4枚組のうちのDISC 4
    The Entire and Infinite Universe of Hawkwind(1997) - 4枚組のうちのDISC 4

  2. Bring Me The Head of Yuri Gagarin(1985)……オリジナル
    Welcome to The Future(1997) - 4枚組のうちのDISC 2
    The Entire and Infinite Universe of Hawkwind(1997) - 4枚組のうちのDISC 2
    Live from The Darkside(2000)
    Cosmic Overdirve(2002) - 3枚組のうちのDISC 3
    The Hawkwind Collection(2001)- 2枚組のうちのDISC 1

  3. In The Beginning...(1985)……オリジナル
    Masters of The Univers(1991)
    Welcome to The Future(1997) - 4枚組のうちのDISC 1
    The Entire and Infinite Universe of Hawkwind(1997) - 4枚組のうちのDISC 1
    Year 2000:Codename Hawkwind Volume One(1999) - 2枚組のうちのDISC 1
    Cosmic Overdirve(2002) - 3枚組のうちのDISC 2

  4. Space Ritual Vol.2(1985)……オリジナル
    Ridicule(1985) - 2枚組アナログLPのディスク2のみを収録したもの
    Welcome to The Future(1997) - 4枚組のうちのDISC 3
    The Entire and Infinite Universe of Hawkwind(1997) - 4枚組のうちのDISC 3
    Year 2000:Codename Hawkwind Volume One(1999) - 2枚組のうちのDISC 2
    Cosmic Overdirve(2002) - 3枚組のうちのDISC 1
    The Hawkwind Collection(2001) - 2枚組のうちのDISC 2

    この4枚から数曲をセレクトしたコンピレーション盤も存在します

    1. Early Daze(1987)
    2. Silver Machine(1994) - Early Daze(1987)の再発盤
    3. Oscillations(2003)

▼収録曲の「怪」

つまり、"The Entire and Infinite Universe of Hawkwind"(1997)、あるいは、"Welcome to The Future"(1997)を入手しておけば、少なくとも曲目だけはオリジナルの4枚(実質3枚)のライブすべてを揃えたことになります。ただし、実は完璧ではありません。

"The Text of Festival"(1983)のアナログ2枚組LPのラスト曲"Improvise...Compromise...Reprise"は、再発CDには一切収録されていません。スリーブにクレジットだけはありますが、実際の収録曲は"Sound..Shouldn't..Improvise..."です。

さらに、"The Text of Festival"(1983)と"In The Beginning..."(1985)の8曲目"Came Home"はクレジットに表記はあるものの、実際には上記のアナログLP、CDのすべてにおいて未収録の「幽霊トラック」です。

では、"Came Home"はどこにあるのか。コンピレーション・アルバムの"Acid Daze The History of Hawkwind"(1990)と"Anthology 1967-1982"(1998)にそれらしき曲(ライブ)が入っています。

"Weird Tapes 6 - Live 1970-73"(1982/2000)に"Come Home"というライブが入っていますが、録音状態などから判断すると、タイトルは微妙に違うけれどどうやら、同じ曲・同じテイクのようです。


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